名古屋の質屋イトウ質店のブログです。
本日のお話は、『ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)』時計についてです。
時計職人を父とし、マリン・クロノメーターや天文時計の専門家であった
フレデリック・ウィリアム・デュボア、ルイ・ジャンリシャールに教えを受けた
ユリス・ナルダンが、1846年にスイスのル・ロックルで創業した時計メーカーです。
クロノメーターの製造を中心にしてきており、錨をトレードマークにしています。
船舶用クロノメーターの分野では50カ国の海軍に納入するなど
ほぼ独占状態に近いシェアを占め、
懐中時計の分野でも超高級時計として評価が高かったものの、
腕時計への参入が遅かったことと、クォーツショックによって、
業績不振に陥っていました。
1983年に投資家のロルフ・W・シュナイダーに買収され、
ルートヴィッヒ・エクスリン博士による「天文三部作」によって
高級複雑時計メーカーとして再び高い評価を得ています。
天文三部作とは、1985年に発表された、天球を模した文字盤で、太陽位置、月位置、
ムーンフェイズ、日食と月食、主な星が見えているか、月と曜日を表示し、
144,000年分の天文情報がプログラムされた「アストロラビウム・ガリレオガリレイ」、
1988年発売の、太陽系を模した文字盤で、文字盤中央を太陽、
文字盤中央より少し下を地球に見立て、太陽の廻りを水星、金星、火星、木星、土星、
黄道12宮ディスクが回っている「プラネタリウム・コペルニクス」、
1992年に発売された文字盤中央には七宝で北極を中心とした地球が描かれたディスクが
回っており、湾曲した針金がどの地域が昼でどの地域が夜かを示し、
月は地球と反対廻りに回り、位置とムーンフェイズを示す
「テリリウム・ヨハネスケプラー」です。
ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)時計のお話でした。