イトウ質店ブログ

金のお話「日本の金貨その1」

名古屋の質屋イトウ質店のブログです。

本日のお話は、『日本の金貨その1』です。

金貨は、読んで字のごとく、金を素材にして作られた貨幣のことです。
金色に輝いて見栄えがいいこと、希少性があって偽造が難しいこと、
柔らかくて加工がしやすいこと、
化学的に安定しており日常環境では錆びたり腐食したりしにくいなどの理由から、
古くから世界各地で貨幣として使用されてきました。

ただし純粋な金は硬貨としての使用には若干柔らかすぎるきらいがあり、
通常は銀や銅など他の金属との合金として用いられことが多いです。

時代劇等で大判、小判の金貨がよく登場しますが、
日本最初の金貨は、奈良時代の760年(天平宝字4年)に初めて試鋳された
開基勝宝(かいきしょうほう)です。
円形で中央に四角い孔が開いています。
「開基勝寳」の文字は吉備真備の筆と伝わっています。

時の太政大臣、恵美押勝(藤原仲麻呂)の命によって鋳造されましたが、
鋳造数は極めて少なく、また質量のばらつきが大きな貴金属貨幣でしたので、
流通目的ではなくて、同じく760年から鋳造・発行された
青銅鋳造貨「萬年通寳」10枚を銀貨「太平元寶」1枚、
銀貨「太平元寶」10枚で金貨「開基勝寶」1枚にあてたと
『続日本紀』に記されており、
金貨「開基勝寳」1枚に値するという価格設定によって、
銅銭の価値を高める狙いがあったのではないかとも言われています。

1794年(寛政6年)に西大寺西塔跡から1枚出土しましたが、
皇室の御物とされ人の目に触れることがなく、
贋物説もありましたが、1937年(昭和12年)、西大寺畑山で31枚発見され、
重要文化財に指定されて、東京国立博物館に収蔵されています。
現在までにその2ヶ所から32点しか見つかっていません。

金のお話『日本の金貨その1』でした。

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